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西川 正史*; 馬場 淳史*; 大土井 智*; 河村 繕範
Fusion Engineering and Design, 39-40, p.615 - 625, 1998/00
被引用回数:14 パーセンタイル:72.98(Nuclear Science & Technology)酸化リチウム、リチウムアルミネート、リチウムシリケート、リチウムジルコネートは、固体増殖ブランケットの候補材であるが、トリチウムの放出挙動は完全に把握できていない。多くのin-situ放出実験が行われ、トリチウムの結晶内拡散律速としてまとめられているが、その結果は一致していない。これは、表面反応、照射欠陥、システム効果の評価が不十分なためである。今回、定常状態でのトリチウム結晶内拡散、トリチウム水の吸収、吸着、二種類の同位体交換反応が、トリチウムインベントリーに与える影響を検討し、これまでに行われた、in-situ実験結果との比較を行った。その結果、パージガス中にある程度の水分が存在していると仮定すると、in-situ実験結果を良く表現できることがわかった。
野村 紀男; 羽賀 一男; 大坪 章
PNC TN9410 91-298, 74 Pages, 1991/08
高温可搬型液体金属冷却炉システムは、通常の地上環境とは異なる極限環境下での閉鎖系へのエネルギー供給源(300kWe用SPECTRA-L、2MWe用LUBAR)としても期待される。月面等の極限環境閉鎖系のエネルギーの供給形態としては、これまでは専ら電力だけの利用を想定してきたが、発生したエネルギーの有効利用の面から見ると、用途によっては熱そのものを併用する方が有利な場合も考えられる。そこで、原子炉を熱源とする月面基地におけるエネルギーシステムについて、発生した熱の直接利用を組み込んだ場合ん利害の得失を検討した。この検討において、1・全電化方式でエネルギーシステムを作りあげた場合と、2・熱利用が可能な項目については積極的に原子炉の排熱利用を行ったコジェネリーションシステムの場合、2つに分けて、熱・電気のエネルギーフローを示すエネルギーシステム図を作成した。コジェネレーションシステムでは、熱移送媒体として化学反応を利用(メタンガスと水蒸気の混合ガスを核燃により分解し、水素と一酸化炭素を生成する。それをパイプで輸送して、消費地でその逆反応により熱を取り出す。)した、極限環境に相応しいものを提案した。検討の結果、システムの重量を評価軸とした場合、基地の拡大によってエネルギー需要が1MWe程度になると、排熱利用を積極的に行ったコジェネリーションシステムの方が、エネルギー供給を全て電気で賄う全電化と同等あるいはそれ以上に有効となる可能性があることがわかった。最後に、コジェネリーションシステムによってエネルギーの有効利用とシステムの軽量化に両方を達成するために必要な今後の技術的課題を明らかにした。